新刊情報

『週刊読書人 追悼文選』

「週刊読書人」編集部による『週刊読書人 追悼文選』が出た。紅野敏郎による実篤の追悼文が収録されている。タイトルは「類い稀で壮大な思想を背景に持つ」。 『週刊読書人 追悼文選』全国の書店さんやネット書店で発売中です。収録した追悼記事の他に、これ…

日本近代文学館編『ビジュアル資料でたどる 文豪たちの東京』

日本近代文学館が編集した『ビジュアル資料でたどる 文豪たちの東京』という本が出るそうだ。 「古写真やイラスト、新聞・雑誌の記事や地図など当時の貴重な資料と、原稿や挿絵、文豪たちの愛用品まで100枚を超える写真」というビジュアル資料が多いようだが…

里見紝『荊棘の冠』が初の文庫化

近刊検索βによると、里見紝『荊棘の冠』が講談社学芸文庫で刊行されるそうだ。発売予定は3/10。本作は初の文庫化とのことだが、最近里見紝の作品が次々と文庫化されていてうれしい。荊棘の冠 (講談社文芸文庫)作者: 里見とん出版社/メーカー: 講談社発売日: …

高峰秀子『いっぴきの虫』(文春文庫)

文春文庫の新刊で高峰秀子の『いっぴきの虫』が出ていた。高峰さんの本は注意して見るようにしている。濱田庄司や梅原龍三郎の話も出ていた。角川文庫(1983年)の再刊。いっぴきの虫 (文春文庫)作者: 高峰秀子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/10/07メ…

百年文庫96『純』に「馬鹿一」収録

ポプラ社から出ている百年文庫というアンソロジーシリーズの第96巻『純』に、実篤の「馬鹿一」が収録される。その他に高村光太郎「山の雪」と宇野千代「八重山の雪」を収録。純 (百年文庫)作者: 武者小路実篤,宇野千代,高村光太郎出版社/メーカー: ポプラ社…

里見紝『朝夕 感想・随筆集』

講談社文芸文庫から里見紝の感想・随筆集『朝夕』が出るそうだ。底本は1965年8月講談社刊。「私の履歴書」や志賀や谷崎との交流についての文章などがあるらしい。里見の文庫本は少ないので、出版はうれしい。 『朝夕 感想・随筆集』里見紝 講談社 http://www…

「大人の文房具」に実篤の万年筆

8月下旬発売の「大人の文房具」というムックに「作家の道具」というコーナーがあり、そこに1ページ、「武者小路実篤とパーカーの万年筆」と紹介されている。ちょうど書店に並んでいるころだと思うので、ご参考まで。大人の文房具【文豪たちに愛された傑作文…

『浅川伯教の眼+浅川巧の心』

『浅川伯教の眼+浅川巧の心』(伊藤郁太郎・監修)を借りてきて、ながめている。高崎宗司氏のインタビュー(聞き手は杉山享司氏)や土田眞紀氏の論文などがありワクワクするが、最後にある伊藤郁太郎氏と熊倉功夫氏の対談がすごかった。お互い譲らずスウィ…

五十嵐伸治ほか『大正宗教小説の流行』

時折Amazonで「武者小路実篤」と検索して、出版日の新しい順にながめているのだが、今回『大正宗教小説の流行−その背景と“いま”』(五十嵐伸治、佐野正人、 千葉幸一郎、千葉正昭・編)という本を見つけた。白樺関係では、 鈴木斌「白樺派と宗教−武者小路実…

奥村直史『平塚らいてう−孫が語る素顔 』

有隣堂で新刊の棚を見ていたら、『平塚らいてう−孫が語る素顔』(平凡社新書)が目に入る。著者は奥村直史。「青鞜」と「白樺」は1歳違い。らいてうと実篤も1歳違い(「白樺」、実篤の方が1年早い)。らいてうのお孫さんが本を書く時代なのである。平塚らい…

『文豪怪談傑作選・大正篇 妖魅は戯る』に志賀作品

今月発売の東雅夫編『文豪怪談傑作選・大正篇 妖魅は戯る』(ちくま文庫)に志賀直哉の作品も収録されているらしい。bk1にあった、編者による内容一覧を見ると、「イヅク川/夢/焚火/梟/黒犬/夢から憶い出す/病中夢/昨夜の夢/妙な夢/怪談」だそうだ…

海野弘『おじさん・おばさん論』

海野弘の『おじさん・おばさん論』を読んだ。親子のような上・下関係ではなく、斜めの関係というのが興味深かった。著者自身の話も書かれていたが、私もおじ・おばから受けた影響は小さくなく、それをあたたかく思い出せただけでも読んで良かった本だ。なお…

矢野誠一『昭和の藝人 千夜一夜』に宇野重吉の「馬鹿一の死」

矢野誠一の『昭和の藝人 千夜一夜』(文春新書)は落語家や寄席の芸人の話と思って読んでいたら、演劇人も出てくる。宇野重吉が出てきてびっくり。しかも宇野重吉一座の話や最後の舞台「馬鹿一の死」の千秋楽に楽屋に行った話なども出てきて、ほんとうにびっ…

『首都圏 美術館・博物館ベストガイド』(メイツ出版)

『首都圏 美術館・博物館ベストガイド』という本が出ていた。発行は2011/5/15で出たばかりだが、最新の美術館ガイドだ。美術館・博物館が中心だが、コラムとして「珠玉の文人作家コレクション」というページがあり、吉川英治記念館、林芙美子記念館とならん…

「週刊現代」2010/09/04号

8/20発売。カラーグラビアに「細川護煕の世界『不東庵』2010年夏」。陶芸の話や細川家の話など。祖父・護立、父・護貞と一緒に写った家族写真あり。こういう年齢の関係か。 週刊現代Online http://online.wgen.jp/ 【雑誌ネット】週刊現代 最新号 http://www…

『終着駅 トルストイ最後の旅』

今年公開される映画、「終着駅」の原作。ジェイ・パリーニ著、篠田綾子訳で、新潮文庫の8月の新刊。単行本では、1996年12月に晶文社から『終着駅 トルストイの死の謎』という題で出ていた。終着駅―トルストイ最後の旅 (新潮文庫)作者: ジェイパリーニ,Jay Pa…

寺澤浩樹氏『武者小路実篤の研究』

寺澤浩樹氏による実篤研究の単著『武者小路実篤の研究−美と宗教の様式』が刊行された。これまで発表された論文と書き下ろしからなる、実篤研究のみの単行本であり、一冊全部実篤の論文というのは壮観である。Amazonでの登録を確認したので、当blogでもご紹介…

『龍となれ雲自ずと来る』(小池邦夫監修)

絵手紙で有名な小池邦夫氏の監修による、実篤の画讃集が清流出版から刊行された(2,310円、税込)。単行本未収録の作品を中心にしたということで、最晩年の作品が多い。そのため、これまでの画讃集とは少し趣が異なっている。墨や硯の写真もあり、これもこれ…

『きみが見つける物語 切ない話編』

『きみが見つける物語 十代のための新名作 切ない話編』(角川文庫)というアンソロジーに、志賀の名前があったので調べてみたら、「小僧の神様」が収録とのこと。結構オーソドックスな選だったので、逆に意外。 ちなみに同アンソロジーの既刊に『友情編』と…

『有島武郎事典』

有島武郎研究会編の『有島武郎事典』が2月に勉誠出版から出る予定。研究会のサイトにはまだ詳細は出ていないようだ。 勉誠出版 --有島武郎事典 http://www.bensey.co.jp/book/2141.html 有島武郎研究会 http://wwwsoc.nii.ac.jp/ats/ 有島武郎事典作者: 有島…

「芸術新潮」2010年2月号は、小村雪岱特集

1/25発売の「芸術新潮」2月号の特集は、「小村雪岱を知っていますか?」。装丁家、挿画家、舞台美術家としての活動を紹介。「めぐるひとびと」という章では、水上瀧太郎、久保田万太郎に並んで、里見紝、木村荘八の名前も見える。まだメールマガジンで目次し…

「芸術新潮」7月号はゴーギャン特集

「芸術新潮」2009年7月号は、「ゴーギャンという人生」。大胆にゴーギャンを大づかみにしていく。「キツネ目」とかダークな面が印象に残ってしまったが、大丈夫だろうか。 「芸術新潮」2009年7月号 http://www.shinchosha.co.jp/geishin/200907/feature.html

有島武郎『生れ出づる悩み』(集英社文庫)

集英社文庫のナツイチで、有島武郎『生れ出づる悩み』が「変わり表紙」で発売される。同キャンペーンのイメージキャラクター・岡田将生の写真が表紙になっているとのこと。一昨年の『友情・初恋』同様、これまでにない層が手に取るだろうか。

「週刊 西洋絵画の巨匠」第1巻ゴッホ

小学館から「週刊 西洋絵画の巨匠」というシリーズが始まり、その第1巻はゴッホだった。よくある、創刊号だけ大幅に安いパターンで190円。買いそうになったがふみとどまった。http://www.shogakukan.co.jp/w_seiyoukaiga/index.html]また、同じく店頭には講…

小谷野敦『里見とん伝』

小谷野敦による里見とんの評伝が12/20に中央公論新社から刊行された(「とん」弓編に享。編集画面で入力しても文字化けするが、使用不可能なのか?)。タイトルは『里見とん伝−「馬鹿正直」の人生』。著者のルビも「こやのとん」となっていた(本名は「あつ…

『デューラー 自伝と書簡』(岩波文庫)

デューラー著、前川誠郎訳。2009/1/16予定。見てみよう。

「文藝春秋」2009年1月号

「文藝春秋」2009年1月号(12/10発売)の特集「完全保存版 昭和の遺書」に、実篤の名前があったのでさっそく見てみた。遺書が紹介された記事が並んでいるのかと思ったら、梯久美子という筆者が一連の文章として書いていて、その中に遺書が引用されてい…

大津山国夫『武者小路実篤、新しき村の生誕』

大津山国夫氏の新刊が武蔵野書房から出ている。タイトルは『武者小路実篤、新しき村の生誕』(3,150円)。2008年10月14日の発行。 新しき村創設90周年にあたり、創設3年(大正7年〜9年)の村を研究をまとめたもの。「村」に関する新刊は貴…

吉井長三『銀座画廊物語』

書原仙川店で見つけた本。吉井が尾道の志賀直哉が暮らした長屋が売りに出ていると聞いて実篤に相談したところ、長屋を買って「暗夜行路」饅頭でもつくれば売れるだろうと言われ、そのまま志賀に話して怒られたという話が出ていた。甘いもの好き&構わない実…

『志賀直哉宛書簡集 白樺の時代』

上の日本近代文学館の展示の元となった(?)本。日本近代文学館編、9/26発売。志賀直吉氏から同館に寄託された志賀直哉宛て書簡約4,500通のうち、『白樺』時代を中心に同人とその周辺の人々全17名の未発表書簡約700通を収録。9,870円とおいそれとは手が出ない…