今日、茶道の武者小路千家「官休庵」に自動車が突っ込み、塀を壊したというニュースがあった。所番地は京都市上京区武者小路通新町西入ル(産経新聞などは京都市上京区西無車小路町という表記をとっていたが)、武者小路家の名前の由来となった通りである。幸いけが人はなく、京都市歴史的意匠建造物の土塀の一部が壊れたものの、国の登録有形文化財である茶室や市の名勝に指定されている庭園は無事とのこと。
「武者小路通り」と言うと、「三条家とかは、三条大通りという太い通りから名前を取っていますが、武者小路家は『小路』と言うように、細い通り、横丁から名前を取っている貧乏貴族なわけです」というような説明をされた(細かいところは違っているはず)、武者小路穣先生のお話を思い出す。「武者小路」と言うと、なんだか武士みたいな勇ましい名前と思う人もあるが、京都には武者小路通りという通り(小路)があって、そこから取った名前なのだということを思い起こさせる事故だった。
なお先日、武者小路千家次期家元の千宗屋氏が書いた『茶 利休と今をつなぐ』(新潮新書)を読んだが、たいへんわかりやすい本だった。表千家・裏千家・武者小路千家の三千家の関係などもよくわかった。
- 作者: 千宗屋
- 出版社/メーカー: 新潮社
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