うさぎ年にジャンプ!

今年はうさぎ年。60年前の1963(昭和38)年には、この年78歳になる実篤が卯年にちなんで自宅の前でジャンプする写真が残されている。『新潮日本文学アルバム 武者小路実篤』の87ページに掲載されているが、卯年=ウサギ=ジャンプという昭和のシャレ心だ。もしかしたら志賀も跳んでいないかと思い『新潮日本文学アルバム』の志賀の巻を確認したが、そのような写真はなかった。かわりに昭和26年(68歳)に自転車に後ろ向きに乗る写真(82ページ)と、昭和28年(70歳)に竹馬の曲乗り(これも後ろ向きに乗っている)の写真(86ページ)を見つけた。運動神経抜群だった志賀らしい。

実篤がジャンプした1963年には、ホンダの創業者・本田宗一郎(56歳)もジャンプしている。「日経ビジネス」2019年12月2日号の表紙にその写真が使われているが、結構高く跳んでいる。1963年はジャンプして写真を撮るのが流行ったのかもしれない。

「2023年の展覧会」を掲載

2023年の展覧会を掲載した。公立の美術館は年度末まで展示予定は発表されないが、私立は少しずつ発表されているのでそれらを反映した。

  • 東京国立近代美術館の「70周年記念展 重要文化財の秘密」は、2022年10月から12月に東京国立博物館で開かれた「国宝展」と対になるようなコンセプトで、近代美術を重要文化財という切り口でどう見せてくれるか楽しみな展示。展示替えがあり、東博の「麗子像」は4/4からの後期展示という情報(「芸術新潮」2022年12月号)もあるので、出品作品を確認して(前後期とも?)見に行きたい。
  • 「生誕120年 棟方志功展」が富山県美術館と青森県立美術館東京国立近代美術館で開かれる。順当に行けば東近美で見るのだが、青森まで見に行くのもありではないかと思っている。コロナが落ち着いたら行ってみたいが、どうなるだろうか。
  • 永青文庫では久しぶりに近代洋画が展示される(「永青文庫の近代絵画-セザンヌ「登り道」を起点に-(仮)」)。白樺派の金庫番、細川護立のコレクションを見に行こうと思う。
  • 東京ステーションギャラリーでは春陽会誕生100年記念展示があるとは驚いた。「それぞれの闘い 岸田劉生中川一政から岡鹿之助へ」がそれだが、劉生は春陽会を追われるようにして退会しており、一方草土社で劉生と一緒だった中川一政は残る(草土社同人だった椿貞雄と河野通勢は劉生と一緒に退会した)という苦い話があり、タイトルからしてドキッとする。どういう展示になるか楽しみだ。
  • 日本民藝館では「生誕100年 柚木沙弥郎展」が楽しみだ。「聖像・仏像・彫像 柳宗悦が見た『彫刻』」も彫刻という観点から柳を見るのは面白いと思う。
  • 東京都美術館マティス展」、前回の展示も見に行っているが、「ダンス」の大きくのびやかな絵が印象的だった。また見たいと思う。実篤がパリで会って話した人だ。そういう人の作品が見られる不思議を体感したい。

2023年の展覧会(武者組)

特別編:三浦義村の墓に行っていた話

2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」(脚本・三谷幸喜)。15年前の夏に、実篤が子ども時代に夏を過ごした三浦半島へ行ったことがあり、そのとき近くにあった三浦某のお墓にも寄ったことを思い出して、写真を探してみた。

するとまさかの三浦義村(「鎌倉殿の13人」では山本耕史が演じている)のお墓であった。15年も経てば様子もだいぶ変わっているだろうが、参考までに写真を上げておく。

ここが入口

この階段の先らしい

三浦市による説明板

こちらが三浦義村の墓

福寿寺と三浦義村の説明板

福寿寺にもお参り

まわりの道はこんな感じ

最寄りのバス停は「岩浦」(いわぶ)

(参考:武者組/勉強勉強勉強/金田に行ってみた)

三浦義村については、こちらをご参照ください。 youtu.be

田村景子・編『文豪東京文学案内』(笠間書院)

『文豪東京文学案内』(笠間書院

田村景子・編、田村景子、小堀洋平、田部知季、吉野泰平・著

書店発売日:2022/4/27

書店で現物を確認。「『小説の神様』は、東京を疾駆した 志賀直哉の東京」という章があり、「自転車」「小僧の神様」「正義派」「城の崎にて」「灰色の月」がとりあげられていた。「自転車」がいちばん分量が多く、作品に登場する坂を地図で示している。

志賀以外の白樺派は目次に無し。

「2022年の展覧会」を更新

「武者組」の「2022年の展覧会」を更新した。各館の展示案内から随時更新しているが、連休中に「日本歴史」2022年5月号(吉川弘文館)の「2022年度前期 全国博物館企画展案内」を参照した。

同誌は毎年5月号と10月号で全国の博物館の半年分の展示予定を、場合によっては公式webよりも早く掲載するので便利。今回は奥州市後藤新平記念館の「シリーズ後藤新平人脈考(8) 三島通陽」(2022/07/15~10/16)を知った。三島通陽(章道)は学習院での実篤たちの後輩で、「白樺」の活動にも参加している。後藤新平とはボーイスカウト活動を通じて交流があった。

「武者組」>「2022年の展覧会」http://www.amy.hi-ho.ne.jp/~konishi_satoshi/exhibition/2022show.html

「日日是白樺派」Reboot

新年度ということで、久しく更新していなかったブログに再度火を入れることにした。

新型コロナウイルスの終息が見通せない中、「外出できないなら、本とインターネットを逍遥すればいいじゃない」とマリー・アントワネットが言ったとか言わなかったとか。エイプリルフールのこのエントリーを「嘘」にしないように、少しずつ書き連ねていきたい。

私と実篤の出会いの書を原点回帰として置いておく。

緊急事態宣言のため、実篤記念館と実篤公園は臨時休館・臨時休園

東京都に出された3回目の緊急事態宣言のため、実篤記念館と実篤公園は2021年4月27日(火)から5月11日(火)まで臨時休館・臨時休園中。延長の可能性もあり、同館のホームページやtwitterで随時告知があるとのこと。

記念館では春の特別展「『白樺』創刊110年 文学の道-13年5ヶ月の軌跡」が4月24日(土)に始まったばかりだった。会期は6月13日(日)まであるが、昨年も緊急事態宣言のために今年に延期した展示だ。開催初日に見学したが、力の入った特別展だけに、きちんと公開してほしい。

実篤記念館と実篤公園の臨時休館・休園のお知らせ
(2021年5月2日撮影)