11月の神社に実篤のことば

Twitterなどを見ていると、11月に東京の(?)神社に掲げられている言葉が実篤のことばのようだ。私はまだ実物を見ていないが、tweetや写真などを見ると「わが行く道に茨多し されど生命の道は一つ この外に道なし この道を行く」というものだ。

「この道より我を生かす道なし この道を歩く」というのがよく知られているものだが、その変形に見える。ただ、私はこの「茨多し」というバージョンは説明に走り過ぎていて、実篤固有の勢いがないと思う。
名言集と呼ばれる本では実篤のものとされているようだが、私は実篤の言葉ではなく、誰かが編集したものではないかと疑っている。実篤はこんな風にまわりくどく、説明口調では書かない人だ。この言葉は「困難が多いけれど、この道を行くしかない」というネガティブなところから入っているが、実篤はそんな風には言わない。決然と「この道しかないからこの道を行くのだ」と同語反復的に非論理的に言い放つところに魅力があると考える。
よって、このことばが神社に実篤のことばとして掲げられることは、私はうれしくないが、目にされる方も多いと思うし、これがきっかけで実篤について知ってもらえればよいと思うので、blogにも書いておく。