「実篤と戯曲」展を見てきました

今日の夕方、実篤記念館の「実篤と戯曲」展を見てきた。通常の企画展と思って見始めたが、実篤の戯曲観などが的確に説明されていて、メモをたくさんとった。新劇時代から最近までの上演資料も展示され、実篤が演じる「達磨」の他に、「息子の結婚」の大竹しのぶ(昭和56年2月、演出:宇野重吉)や、「馬鹿一の夢」で馬鹿一を演じる宇野重吉の写真などもあった。
特に宇野の馬鹿一(昭和62年12月、三越劇場)は彼の最後の舞台であり、その写真の前では立ち尽くすしかなかった。残念ながら彼の舞台は一度も見たことがなかったが、TVドラマで見て好きな俳優だったし、「馬鹿一の夢」はたしかNHKでドキュメンタリーがつくられていて、舞台そでで酸素吸入をしながら芝居を続けていた姿が今でも心に残っている。加えて私の世代はTVアニメ「家なき子」のナレーションだろうか。少し前にも日色ともゑの『宇野重吉一座最後の旅日記』を読み返した(「三年寝太郎」を演じて、全国を劇団+トラックで回った記録)だけに、感慨はひとしおだった。
東京は昨日が初雪で今日も寒かったが、来館者は多め。展示は来週末1月18日(日)まで。

宇野重吉一座最後の旅日記 (小学館文庫)