「小説『真理先生』を読む」(実篤記念館)

昨日、武者小路実篤記念館の読書講座「小説『真理先生』を読む」を受講してきた。会場は調布市東部公民館の和室で、10人ほどのこじんまりとした会だったが、実篤を卒論に選んだ大学生が二人参加と、記念館の方曰くこれまでで一番平均年齢の低い読書講座となった。講師は二松学舎大学の瀧田浩先生。いつも通りのわかりやすいお話だった。
「戦後すぐに書かれた作品」という視点から作品をとらえ直すのは、とても勉強になった。また、実篤が天才主義から脱して庶民の応援歌的なものを書くようになり、また読者からも受け入れられてベストセラーになったというお話は、実篤の受容史を考える上で大きな示唆になった。そろそろ私たちの見てきたこと、してきたことを記録していく時期ではないかと思っている。それは何を基準に、どういう考え方でやれば役に立つのか、考えるところと交差するお話だった。
真理先生 (新潮文庫)