朗読会「実篤を聴く」Part9〜書を語る〜

調布市文化会館たづくりで、実篤記念館主催の朗読会が開かれたので、午後の部に行ってきた。今回はたづくり1階で開催されている「人と筆跡」展に関連して、書に関する実篤の文章を朗読した。演出:川和孝、出演:河崎早春、根岸光太郎、松尾智昭、宮崎敦吉。
たづくり8階映像シアターで午前と午後の2回行われ、午後の方が人数が少なかったようだ。ステージにいすが4つ並び、向かって左から、根岸さん、松尾さん、宮崎さん、河崎さん。宮崎さんだけが洋服で、あとの3人は和服。松尾さんの朗読は何回も聴いており、しかも実篤の独白風のものが多くまた上手なため、私の中では松尾さん=実篤というイメージになりつつある。今回のメンバでもいちばん板についている感じがした。
短いものや少し長いもの、休憩をはさんで18編が朗読された。鉄斎や仙突については知っていたつもりだが、一休は戯曲の方しか読んでいなかったので、実篤が一休の生涯について丁寧に書いているのをしみじみと聴いた。良寛にいたっては全く読んでおらず一般的な知識しかなかったので、興味深く聴いた。
朗読会の後、1階の「人と筆跡」展をのぞいた。先ほど聴いたばかりの一休や良寛が書いた書が眼前にあって、これまでにないくらい鮮やかに見えた。とてもすてきな体験だった。朗読会としては地味ではあったが、展示と連動させると思った以上の大きな効果をもたらしてくれた。感謝したい。