「実篤 美術への眼差し」(実篤記念館)

実篤が関心を持った美術家は多岐にわたり、何かひとつの系統だけということはない。その関心の広さには自らの偏頗さを反省させられた。この展示をもとに何かに絞り込むのではなく、逆に実篤が求めた美を広く考えなければならないと思った。とは言っても実篤が関心を持った美術家すべてをたどるのではなく、個々の事実をおさえつつ、自分の物差しで美を測っていく必要があるだろう。
出展された作品ではデューラーとブレイクに圧倒されたが、ゴヤドーミエドラクロアなども注意していかなければならないだろう。西洋美術を中心としていたが、最後に身近に置いた日本近代美術ということで、小出楢重村上華岳など愛蔵品も展示されていた。